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加納新太

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    君の名は。 Another Side:Earthbound
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    小説 劇場版ハヤテのごとく! HEAVEN IS A PLACE ON EARTH
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    秒速5センチメートル one more side
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    シャイニング・ハーツ やさしいパンの薫る島
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    世界めいわく劇場スペシャル
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    シャイニング・ウィンド -アナザーリンク- 鬼封じの剣士
    RPG「シャイニング・ウィンド」の小説版です。ゲーム本編のノベライズではなく、主人公たちの過去の物語を書きました。自分に伝奇小説が書けるか、ジェットコースター型の展開が書けるか、というのが、個人的なチャレンジでした。ありがたいことに、かなり好評を博しています。

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    シャイニング・ティアーズ to ウィンド 姫君たちの冒険
    RPG「シャイニング・ティアーズ」「シャイニング・ウィンド」の短編集です。基本的に、原作の物語がスタートする前を舞台にしています。いわゆるプレ・ストーリーです。エルウィン、マオ、ヴォルグ、ブランネージュ、クララクランが登場します。

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    ほしのこえ あいのことば/ほしをこえる
    原作/新海誠。新海監督のデビュー作を小説化したものです。少女視点の「あいのことば」、少年視点の「ほしをこえる」の二部構成となっています。表紙はブルーの箔押しで、美しいデザインです。『雲のむこう、約束の場所』と並べてみると、帯込みで対比的になるようにデザインされています。

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    シャイニング・ティアーズ 神竜の剣
    RPG『シャイニング・ティアーズ』の小説版、続編です。単独の本としても読めるつくりになっています。作者としては、前作よりも納得のいく出来です。勇ましい物語です。

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    雲のむこう、約束の場所
    原作/新海誠。劇場アニメーション映画『雲のむこう、約束の場所』を小説化したものです。装丁がとても美しく、それで手に取った方も多いようです。

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    シャイニング・ティアーズ 双竜の騎士
    セガのRPG『シャイニング・ティアーズ』をもとにしたヒロイック・ファンタジィ小説です。ノベライズです。

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    タウンメモリー
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    アクエリアンエイジ Girls a War War!
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    月姫 アンソロジーノベル〈2〉
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    月姫 アンソロジーノベル〈1〉
    PCゲーム『月姫』を題材にしたアンソロジー短編集です。遠野秋葉が主人公の第一話『かわいい女』を執筆しました。

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2010年10月

2010年10月24日 (日)

日本にハロウィンが定着しない理由

 掲題のようなことについて、去年のハロウィンのころ、床屋で髪を切られながら目の前の鏡にあしらわれたカボチャのステッカーを眺めながらぼんやり考えていたら、思いつくことがあった。記事にまとめないうちにハロウィンシーズンが終わってしまったので、一年待って今年書くことにする。

 ハロウィンって、いまいち日本ではなじみ深いものになっていかないよなー、なぜだろう。

「日本にハロウィンが定着しない」と書いたけれども、これは、「クリスマスやバレンタインデーに比べて」ということだと思って下さい。この二大西洋由来イベントとの比較をしなければ、まあ少しはなじみ深くなってきているよね。でも、比較してしまうと、やっぱりいまいちだ。

 そこでまず、「クリスマスとバレンタインデーが、なぜ日本に定着したのか」という疑問のたてかたをしてみる。
「ハロウィンが定着しない」のではなく、「クリスマスとバレンタインデーが、例外的に定着したのだ」という考え方をしてみてはどうだろう。
 外国のイベントなんてものが、日本に定着してしまう。そんなことは普通は起こりえないのだが、クリスマスとバレンタインデーだけは、何か特殊な理由があって、ウッカリ定着してしまったのだ、という考え方をするわけだ。
 なぜなのだろう。その理由とは何だろう。

 クリスマスとバレンタインは、かなり国内のイベントとして定着している。けれども、西洋における(つまりキリスト教における)、本来の意味とは、かなり別物に変化してしまっている。これはよく知られた話ですね。

 どういうふうに「別物に変化」したのかといえば、特にクリスマスに顕著だが、恋人同士の恋愛イベントとして理解され、定着したわけだ。本来、オリジナルの意味では、そうとは限らなかったのだけれど、「恋愛」という要素だけが抽出され、その結果、定着した。
 その日がジーザス・クライストの誕生日であるか、ないかというのは、基本的に日本人にはどうでもいい。
「恋愛」というポイントが日本人にとって重要で、そこだけを(半ば意図的に)取り出すことで、クリスマスは初めて日本に定着することができたイベントなのではないか。そのように仮定を立ててみる。

 クリスマスやバレンタインが日本に定着していく時期は、「恋愛」とか「結婚」とかが家同士のものではなくなっていき、「個人的な」ものになっていった時期とたぶん一致する……ような気がする。
 少なくとも江戸時代なんかには、「男女の個人間の恋愛って、ロマンチックで何より素晴らしい!」といった価値観は、なかったとはいえないまでも、大々的な価値観ではなかったでしょう。もうちょっと、違う建前でものごとが進んでいた。

 それが、近代以降、少しずつ意識がかわっていった。
「男女間の個人的な関係性(恋愛)」というものが、日本人の価値観の中で、大きな部分を占めるようになっていった。
 日本人の中で、「個人的な恋愛」が、ひどく尊ばれ、価値のあるものとして強く信じられるようになっていったわけです。

 けれども、先にも述べたように、旧来の日本では、そういう個人的な恋愛というものは、全然尊ばれなかったわけではないんだろうけど、それほど重視されてこなかった経緯がある。
 祭りというのは、価値のあるものを尊びたい、それが手に入るように祈りたい、手に入ったことを感謝したいという感情によって発生してくるものです、たぶん。

 すなわち。
「個人的な恋愛を尊びたい、喜びたい、持ち上げたい」という感情が日本人の中に生まれてきていたのに、その受け皿になる「個人的な恋愛のお祭り」というものは、日本の中にはなかったと思われるのです。
 繁殖を喜ぶ祭りはいっぱいあるんだけれども、ロマンチック・ラブをテーマにしたイベントというのは、たぶん日本にほとんどなかったんじゃないかな。

 つまり、「恋愛をテーマにしたイベントが欲しい」というニーズが日本人の中に確実に生まれていたのに、それを受け止めるイベントが日本の中にはなかった。
 そこに、クリスマスとバレンタインがすべりこんでくる。
 バレンタインデーはまんま恋愛のイベントだから、問題なくニーズに合致する。
 クリスマスのほうは、変な魔改造がなされて、「恋人同士のイベントである」という点が強くクローズアップされることで、日本人の意識の中に着地する。

 クリスマス・バレンタインという「海外の祭り」が日本に定着した理由は、「恋愛のイベントが欲しいというニーズが生まれていたのに、そういうイベントが日本の伝統の中にはなかったから」だというふうに思われるわけです。

 ニーズがあるのに、それを満たすものが国内にない場合、輸入されたものが定着する。

 そこでハロウィンになる。
 ハロウィンというのは、どういうイベントであるのか。

 いちおう、キリスト教関連のお祭りということになっているけれど、どうもちぐはぐなところがありますね。魔女とか妖精、お化けといったものがシンボルになっている。こういうの、キリスト教が伝統的に排除しようとしてたものですよね。魔女とかをほめたたえてはいけません、というのが基本的なキリスト教の立場のはずです。スペイン宗教裁判ー! なんていう極端な例もある。
 どうもウィキペディアなんかによると、ハロウィンの由来はケルト民族の土着のお祭りらしいです。キリスト教そのものよりルーツが古いんですね。

 魔女だのお化けだのを持ち上げて喜ぶお祭り。
 これはですね、勝手な考えですけれども、こういう考え方をしたい。
 日本人の中に、日本的伝統の枠組みではすくい上げきれない「個人的恋愛を言祝ぎたい」というニーズがあったように。
 キリスト教徒の中にも、キリスト教という一神教の枠組みではすくい上げきれない、とあるニーズ(願望)が、あったんだと思うのです。
 キリスト教世界の人々に、とあるニーズ(願望)がある。その願望は、通常のキリスト教的価値観の中では充足できない。
 だからその受け皿として、ハロウィンという特異で例外的な祭りが存在し、機能していると思われるのです。

 そのニーズとは何か。
 それはきっと、キリスト教が駆逐してしまった古い感覚。
 こうじゃないでしょうか。

「異界に対して敬意を表したい」
 という願望。

 そういうものが、古くからの人間の本能として西洋人、キリスト教徒の中にもやっぱり残っているのでしょう。たぶん。

 でも、詳しく知らないで推測で言うけれど、キリスト教ってそういう異界の存在、たとえば魔法使いとか精霊とか幽霊とか妖精とか、そういうものは基本的に認めていないはずです。
 認めていないものだから、キリスト教の価値観の中で生きているかぎり、そういうものに敬意を表する機会はない。

 けれども、やっぱり人間の感覚として、そういう、キリスト教の中からでは説明できない超常的なものを畏怖してみたいという願望は、ちょっとあるのでしょう。
 その願望の受け皿として、ハロウィンという、どこか非キリスト教的な、魔女なんかを登場させるお祭りが、一種のガス抜き装置として、キリスト教の中に設定されている。
 ハロウィンというのは、そういう意味を持ったお祭りなのではないかと考えることにします。

 さて、
「異界に対して敬意を表したい」
 という願望。

 この願望に対する受け皿は、日本には伝統的に、いーっぱい存在します。

 というか、日本人の信仰というものは、これひとつでほぼ全部説明できるんじゃないかという気すらする。神道的なのも仏教的なのも、全部それじゃないか?
 日本に住んでいる限り、異界に対して敬意を表する機会なんて、もう山のようにあって、敬意を表しほうだいなのです。もうおなかいっぱいです。
 このうえ海外から、それ目的のイベントを輸入してきて、生活の中に定着させる必要性がまったくない。

 だから、商業的な意図で定着させたいという動きはあるけれども、「潜在的にそれが求められていた」という部分と結びつかないので、ハロウィンはいまいち日本には根をおろさないのである。という結論になりました。サンジョルディの日なんかがさっぱりなのも同じ理由でしょう。

 皆さん、ハッピーハロウィン。


■2012年10月9日追記
 スペイン暮らしの友人からの情報によれば、スペインでも日本と同じく、
「商業的な意図でハロウィンを定着させたいという動きがあるが、イマイチ定着しない」
 という状況だそうです。
 スペインといえばキリスト教のお膝元みたいなイメージがあるのに、ハロウィンは一般的じゃないんだ、という驚きがありました。
 どうやら、
「ハロウィンはアングロサクソン系の人々のお祭りであって、ラテン民族にはあんまり関係ないんだよね」
 みたいな雰囲気だそうです。なるほど。日本人のわたしとしてはあのへんの「民族の違い」というのが、いまいちピンときてなかったのですが、この話を聞いて、ちょっとイメージができてきました。
「文化の違い」
 というコトバではピンとこなくても、
「民族の違いとは、お祭りを異にするということである」
 というところで、それを軸に考えをすすめていくと、理解がしやすいのです。

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