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加納新太

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    君の名は。 Another Side:Earthbound
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    いなり、こんこん、恋いろは。
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    アクエリアンエイジ 始まりの地球
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    シャイニング・ブレイド 剣士たちの間奏曲
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    アクエリアンエイジ フラグメンツ
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    秒速5センチメートル one more side
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    シャイニング・ハーツ やさしいパンの薫る島
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    fortissimo//Ein wichtiges recollection
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    世界めいわく劇場スペシャル
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    シャイニング・ウィンド -アナザーリンク- 鬼封じの剣士
    RPG「シャイニング・ウィンド」の小説版です。ゲーム本編のノベライズではなく、主人公たちの過去の物語を書きました。自分に伝奇小説が書けるか、ジェットコースター型の展開が書けるか、というのが、個人的なチャレンジでした。ありがたいことに、かなり好評を博しています。

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    シャイニング・ティアーズ to ウィンド 姫君たちの冒険
    RPG「シャイニング・ティアーズ」「シャイニング・ウィンド」の短編集です。基本的に、原作の物語がスタートする前を舞台にしています。いわゆるプレ・ストーリーです。エルウィン、マオ、ヴォルグ、ブランネージュ、クララクランが登場します。

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    ほしのこえ あいのことば/ほしをこえる
    原作/新海誠。新海監督のデビュー作を小説化したものです。少女視点の「あいのことば」、少年視点の「ほしをこえる」の二部構成となっています。表紙はブルーの箔押しで、美しいデザインです。『雲のむこう、約束の場所』と並べてみると、帯込みで対比的になるようにデザインされています。

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    シャイニング・ティアーズ 神竜の剣
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    雲のむこう、約束の場所
    原作/新海誠。劇場アニメーション映画『雲のむこう、約束の場所』を小説化したものです。装丁がとても美しく、それで手に取った方も多いようです。

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    シャイニング・ティアーズ 双竜の騎士
    セガのRPG『シャイニング・ティアーズ』をもとにしたヒロイック・ファンタジィ小説です。ノベライズです。

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    タウンメモリー
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    アクエリアンエイジ Girls a War War!
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    月姫 アンソロジーノベル〈2〉
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    月姫 アンソロジーノベル〈1〉
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2009年3月 6日 (金)

ルパン三世の誤読

 Ipodをシャッフルモードにして聞いていたら、ルパン三世のエンディングテーマがかかった。「ルパン三世その2」と呼ばれている有名な曲である。作詞は東京ムービー企画部、作曲は山下毅雄、歌唱はチャーリー・コーセイ。奥田民生がカバーしたので、それで知っている人も多いでしょう。『あっしーもとにー、からみーつくー』という奴です。

 この曲をたまたま聴いていて、今日、いまになって、「あっ、そうか!」と思ったのだった。これまで、この歌を完全に誤解していた。というか、これまで何も理解せず、特に意味を取ることなくぼんやりと聴いていたのです。

 ちょっとこの歌を知っている人は、1番を頭の中で歌ってみて下さい。ご存じないひとは、youtubeかどこかで聴けるので、興味があったら聴いてみて欲しい。その際、できれば、歌詞を目で見ずに、耳だけで意味を取ってみて下さい。


 さて、いいですね。ここで問題です。
 1番の歌詞のなかに出てくる、『狂った朝の光にも似た』ものとは、何でしょう。

 たぶん、この問題を大勢の人に聞いたら、答えは二つに分かれると思われる。


 ぼくは、今日の今日まで、漠然と、
「マシン」
 だと思っていた。
「海岸を走るマシンの叫び、それは狂った朝の光にも似ている」
 という意味だと思っていたわけだ。

 同様に考えていた人はきっと多いでしょう。
 なぜなら、『狂った朝の光にも似た』までで、いったんメロディーの区切りがあるからだ。この直後にちょっと間というか、タメがあって、メロディーは別展開になる。だから意味も区切りだろうと思ってしまう。

 でもこれは違うんだ。
 ちょっと区切りは悪いが、
『狂った朝の光にも似たワルサーP38』
 と、ここはひとつながりに読むべきなのだ。朝の光にも似た、は、拳銃ワルサーP38にかかる形容なのです。

 この曲は、あらためて検討してみると、ほんとにややこしい。
「ワルサーP38ぃー」で、新たなメロディーが起動するうえに、それに続く歌詞が、
「この手の中に」
 であるので、「拳銃をこの手に握って」という意味に取れてしまい、そっちの解釈にひっぱられてしまう。

 この曲の1番には、たった三つのものしか登場しない、というか、「その三つを並べてみました」というだけの歌なのです。
 その三つとは、「マシン」「ワルサーP38」「ルパン三世」
 それ以外の歌詞は、すべてこの三つを飾るための形容である。すなわち、

「エンジンを叫ばせ、波を蹴立てて走るマシン」
「狂った朝の光に似ているワルサーP38」
「彼の腕に抱かれたら最後、死ぬしかない、そんな男の名はルパン三世」

 という羅列の歌なのだ。


 なぜ、この3つが羅列されているのか。
 それは、この3つのものが、ある「問い」に対する解答であるからです。
 誤解をおそれずにいえば、これは一種の「大喜利」なのです。
 とある設問があって、「マシン」「拳銃」「ルパン三世」が、それを満たす解答として機能しているのです。
 答えだけを提示して、「設問」は、伏せてある。
 この歌詞、つまり「答え」から逆算して、「設問」を想像することができたとき、この歌の意味がわかるようになっている。
 さて、その「設問」とは何か。
「マシン」「拳銃」「ルパン三世」の3つが、模範解答になるような質問。
 それは何か。
 その問いとは、
「危険なもの、といえば何?」だ。

 世の中に、物騒なものはいくつもある。その中で、最も命取りなものを三つ挙げるとしたら、それは何だ?
 すさまじくパワフルなスーパーカー、凶銃ワルサーP38、そして、女殺しのルパン三世だ。
 危険なもの、近づいては命取りになるもの。
 でも、だからこそ抗しがたい魅力があるもの。
 この世にはそういうものがある。
 これはそういう歌であり、「ルパン三世」は、そういう物語なのだ。

 ルパン三世、この男はとてつもなく危険だ。この歌は、そう言っているのだ。

 この歌は、「問い」と「答え」がワンセットで意味をなすのだが、「答え」だけが示され、「問い」は意図的に伏せられている。
 伏せられた「問い」のほうに、主題がこめられている。

     *

『狂った朝の光にも似た』が『ワルサーP38』にかかる、ということは、詞の2番と照らし合わせてみると、ますます間違いないと思える。
 2番では、この部分は、
『女の胸に残してきた燃える血のバラ』とくる。こちらは1番よりもつながりが自然だ。

 この歌の2番は、
『憎しみのまなざしを背中に受けて今日を捨てる』
『女の胸に残してきた燃える血のバラ』
 と歌っている。

 女の胸に血のバラ。
 2番はなんと、抱いた女を射殺して立ち去るルパン三世を歌っている。
 最近ではすっかり水戸黄門みたいになっているが、本来ルパンはそういう男だったはずだ。

 そして、女が死のまぎわ、最後に見た拳銃のギラリとした輝き。それがおそらく『狂った朝の光』なのだろう。


(二重括弧は引用。研究・評論を目的として、法的に認められたものです)

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コメント

足元にからみつ 赤い波を蹴って
(銃撃戦、血で汚れた床)
マシンが叫ぶ 狂った朝の光にも似た
(銃声、サイレン、回転灯)

ワルサーP38 この手の中に 抱かれたものは
(拳銃の照準におさめられたものは)
すべて消えゆく 定めなのさ ルパン三世
(誰でも、なんであっても、消される運命にある)

 この唄はつまり詩的に膨らませた「殺しの詩」です
2番目以降の歌詞も容易に意味が見て取れると思います
初期のルパンは泥棒ではなく「アウトロー」なんですよ

そうは思いません。

> 朝の光にも似た、は、拳銃ワルサーP38にかかる形容なのです。

 ここで「狂った」を蚊帳の外へ置いてしまうのはつまらないのではないでしょうか
そうしたことをしたら、折角の解釈が最初から不完全なものにしかならないと思います
なぜ狂っているのか、狂っていると判るのか、意図はまったく無いのでしょうか

ちなみにルパンのワルサー自体は、画面に見る限りことさら輝くような仕上げ仕様には見えません
ごくありふれた、普通に流通した実拳銃を想定したものに見えます

 私のレスがカノウさんの意に沿わないようでしたら削除してください
面倒のようでしたら、このまま放置してくださっても結構ですよ

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